「永遠の0」「風立ちぬ」など、
戦時中のことを描く、戦争ブーム(?)なんだろうか。
戦闘機ブームかな、どちらかといえば。
時代は流れて、戦争があったことなど
教科書の上での知識として知っている程度の人が多くなってきた。文字という名の、ただの記号で表された知識だ。
先日、某病院でご高齢のご婦人が精算の場所を探していたのでご案内すると、「私は被爆者だからお金はいらないんだけどね。」とボソッとつぶやいた。
私は被爆者という言葉を久しぶりに聞いたので、少しうろたえた。
戦争を経験した人が偉くて、戦争を経験してないものは愚かだと思っているなんてことは毛頭ないが、戦争を経験することの大変さは本当に想像を絶することなんだろう。ましてや被爆するなんて…。
そう常に思ってきたからか、被爆者の方が目の前にいることでちょっとした有名人にでも会ったかのような感覚になったのだ。
まだいたのか、しかもこんな身近に、と正直思った。
どちらかというと、生きていてくれてありがとうという気持ちが強い。私には戦争を経験したことを言葉にして辛さや苦しさや憎しみや血や死と隣り合わせの空気とともに伝えられる祖父母はいない。だから戦争を知り、語り継いでくれる人に出会えて感激したのだ。
でも、すぐに自分が何だか軽薄に思えた。
結局仕事中だったのでそのご婦人に話を聞くこともできず、「お大事になさってください」と伝えることで精一杯だった。
それから戦争のことをもう一度見直そうと思って
そういう類の書籍やTVに関わるようにしている。
私がいつも思うのは戦争映画や小説は絶対におぞましくて汚いものじゃないといけないと思う。戦争はこういうものなんだという恐怖を、体験していないものに植え付けなくてはダメだと思う。年間10億円以上稼ぐ人でもない限り、死の灰を浴びせられる側が大半なのだから。
そういえば大流行りすることはないからかもしれないが
どぎつい戦争作品はしばらく見ていないなぁ
久しぶりにそんなことを考えた暑い午後です。
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