今日はお昼までのんびりして
午後は母と、祖父のいる介護施設を訪ねた。
祖父に会うのは久しぶりで、
もう認知症の祖父は私を覚えてはいないんだろうな~
と思いながら祖父の部屋に入ると、
祖父は寝ていた。
なんだかすごく小さい。
脚も私と違ってすごく細い。
しばらくすると、目を開けたので
「じいちゃん、元気?」
と聞くと、「どこの誰ぞ」。まあ、仕方ないか…。
母が、自分の息子の子供で、じいちゃんの孫だよ!
と説明したが、祖父はへえ…といった感じだった。
わたしはあきらめていたので、そこまでショックではなかった。
祖父の身の回りを母と整理しているときも
祖父は「わしはこれから習字教室を開くぞ」「生徒は50人くらいは入れたい」
「そしたらお金が稼げるやろ」と、いきがっていた。
しばらくして、もうそろそろ帰るとなったとき、
祖父は起き上がって窓から見える景色を私たちに見せてくれた。
祖父の部屋からは、山の上に聳え立つ巨大な弘法大師の石像が見える。
「母があれは何?」と聞くと「あれは弘法大師じゃ。」と自慢気に言った。
「いい景色じゃろ。またおいで」
「またちょくちょくおいで」と言った。
笑顔だった。
泣くつもりなど一切なかったのに、
外に出て駐車場から祖父のへやを見上げたら、涙があふれ出た。
祖父はもう、そんなに長くはないんだろう。
また、ちょくちょく行くから。
また、弘法大師を紹介してほしい。何度言われてもまた聞くから。
と、そんなことを思った9月1日でした。
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