先日、お客様からの電話対応をした時のこと。
私の勤めているところは地方の書店なのに、
国立美術館に自分の描いた絵画が飾られているので、それを確かめてくれ、
と、探偵事務所に依頼しているかのような問い合わせを受けた。
あらどうしましょう。きましたね!と私は身構える。
こちらが地方の書店であることをお伝えすると、ようやく噛み砕けたといった風に
では、国立美術館が載っている某雑誌に自分の絵画が掲載されているかを確かめてほしい。
調べてみると、その雑誌一年前のバックナンバーになり、今飾られているなら
その雑誌に掲載されているわけもなく、
あら困りましたね!と私は微笑む。
とりあえず、お取り寄せになればご注文品ということでキャンセルは受けられないことを
お伝えすると、すぐに諦めて「ご親切にありがとう」と言って電話を切る……
私はお客様の通話状態が切れてから受話器を置こうと切るのを待っていると、
急に電話口の向こうから「ドンドン…」という太鼓の音が。
あら?切ると同時に後ろで音楽でもかけ始めたのかな?
と思った瞬間
”カカメコカメコ カカメコカメコ カカメコカメコ カカメコカメコ”
という野太い声が鳴り響きだした。
私は、カカメコカメコが何なのか、なぜ電話を切らないのか、なぜ国立美術館直接問い合わせないのかなどを考えながら
カメコに対して「すみませーん、受話器があがりっぱなしのようですが~!」とお声かけしたが、
カメコは知らぬ存ぜぬでカメコのままだ。
私はだんだん笑えてきた。これ…みんなに後で話しても信じてもらえるのかな…
切ったらググろうかしら…などと考えながら、カメコを聞き続けた。
しばらくカメコを堪能した後、私は諦めて「では、切らせていただきまーす!」
と言って受話器を置いた。
受話器を置いたとたん、まさか呪われたんじゃなかろうなと思い、
すぐに検索してみたが、カカメコカメコは検索にはひっかからなかった。
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